お客様の声収集
お客様の声を集める時のひと工夫
お客様の声を集めたいと思っても、「どんな設問にすればいいか」「どんな形なら書いてもらえるのか」と悩む方は多いものです。このページでは、答えてもらえるアンケートにするためのちょっとした工夫を、印刷実務の視点から紹介します。設問の設計や書きやすい紙面づくりなど、小さな工夫で“書いてもらえる”アンケートに変わるヒントをまとめました。
答えてもらえるアンケートにする工夫
アンケートは、少しの工夫で回収率や内容の質が大きく変わります。
紙とデジタルの併用(ハイブリッド設計)
アンケートには、手書きで答える人もいれば、スマホから入力したい人もいます。配布の場面や対象によって、どちらが答えやすいかは異なります。そのため、ハガキとQRコードの両方を用意しておくことが効果的です。お客様の気持ちが動いた瞬間に、どちらからでも回答できる環境を整えることで、回収率を安定して高めることができます。

設問形式の工夫(チェック式+自由回答)
アンケートの目的や活用シーンに合わせて、チェック式と自由回答の比率を調整すると効果体です。
- チェック式:回答しやすく、回収率アップに効果的。集計や分析もしやすい形式です。 (例:「10人中3人はこう答えています」など、数値化が可能です)
- 自由回答:選択肢では拾えない「生の声」を補完できます。
明確に回答しやすい質問はチェック式で、いろいろな回答がありそうな質問は自由回答で。いろいろと聞きたい気持ちはあると思いますが、よりシンプルで回答しやすいほうが意味あるアンケートになります。一段シンプルを心がけて。

手書きアンケートで“書いてもらう”工夫
手書きの文字には、印刷やデジタルでは伝わりにくい温度感や信頼感があります。実際に手書きのコメントやイラストが添えられた声は、Webやチラシで紹介した際に強い訴求力を持ち、読み手の印象にも残りやすくなります。とはいえ、手書きのアンケートは「書くのが面倒」「何を書けばいいか分からない」と感じる人も多く、そのままではなかなか筆が進みません。だからこそ「書きやすさ」までを含めて設計することが大切です。
- 記入欄を広く取る
- 記入例を添える
- イラスト入りのサンプルを添える
こうした工夫によって「自分も書いてみよう」と感じる人が増え、書いてもらえる可能性を高めることができます。

回答者アンケートにプレゼントは有り?無し?
抽選プレゼントは、回答率を高める方法として有効です。販促や認知向上を目的とする場合は、商品券やクーポンなど“お礼”を明示すると効果があります。ただし、「本音の声」を重視するアンケートでは、景品目当ての肯定的回答が増え、逆効果になることもあります。プレゼントは“本音を引き出す手段”ではなく、“参加を促すきっかけ”として考えるのがポイントです。
個人情報の取扱いと掲載許可
個人情報は必要以上に求めすぎると、警戒されて回答率が下がる恐れがあります。 そのため、使用目的や利用範囲を明記し、安心して回答いただける環境を整えることが大切です。
抽選を行う場合
住所や氏名など、必要最小限の情報を自然に取得できます。抽選があることで、やや踏み込んだ質問(職業・利用目的など)にも答えてもらいやすくなります。
掲載する場合
回答内容を公開する場合は、事前に許諾を取り、表記方法を確認しておきましょう。
(例:実名・匿名・イニシャル・掲載不可 など)
個人情報保護シールについて
さらに安心感を高めたい場合には、情報保護シールを併用するのが有効です。シールを使うことで「きちんと守られている」という印象を与え、回答率の向上にもつながります。
また、ハガキ側に点線や矢印(▶▶▶)を印刷しておくと、迷わず貼れて一層親切です。弊社では、全面・半面タイプの既製品の取り扱いに加え、オリジナル情報保護シールの製造も承っています。
全面・半面タイプ(既製品)

オリジナルデザイン


ハガキと個人情報保護シールの一体化
はがきと個人情報保護シールをセットで配布する際は、利用者が迷わず使える工夫が重要です。
手渡しの場合
事前貼付(簡易タイプ)
貼り直し可能なシール(弊社商品では「簡易タイプ」)をあらかじめはがきに貼っておく方法。ただし、記入欄に直接貼ると「未記入で投函」される恐れがあるため、別の位置に貼る必要があります。


セロハン袋同梱
はがきとシールを一回り大きい袋(例:はがきサイズOPP)にまとめて渡す方法です。
受け取った人が内容をすぐ確認でき、視認性が高く、紛失防止にも効果的です。

一体化加工(針を使わない圧着方式)
針を使わずにシールとはがきを圧着して固定する方式です。安全性が高く、少量でも整った見た目に仕上がります。ホチキスでも代用できますが、安全性や仕上がりの美しさを重視する場合は、針を使わないタイプの圧着機がおすすめです。

一体型はがき
予め情報保護シールがセットされたはがき。利用者が迷わず使え、配布時の手間も省けます。
全面タイプ・半面タイプから選べ、現在はコストを抑えた廉価版の開発も進行中です。

郵送(往復はがき)の場合
往信面に、1/2サイズ〜全面サイズの貼り直し可能な情報保護シールを別のスペースに貼り付けておきます。
枠には点線を入れ、個人情報欄の近くに配置して「▶︎▶︎▶︎」などの矢印で誘導すると、利用者が迷わず貼れるため効果的です。
1/2サイズ
宛名面に半面シールを張って、▶︎▶︎▶︎で誘導

全面サイズ
往信面に全面シールを貼って、返信面に貼って返信してもらう

郵送(封筒で送付)の場合
情報保護シール枠には点線を入れることが必須です。これにより、どこに貼ればよいかが一目でわかり、貼り忘れを防ぐことができます。

事例で見る「お客様の声」設計の工夫
実際に導入された設計事例をもとに、要素の組み合わせや工夫のポイントを紹介します。
事例01〔総合型・スタンダード〕
すべての基本要素を備えたスタンダードタイプ。※情報が増えるため、文字サイズに注意

機能
- 個人情報保護シール用の点線(利用促進)
- QRコード(Webフォームからも回答可能)
- 抽選プレゼント(回答率アップ)
- チェックボック式 + 自由回答欄
- ホームページ掲載の許諾確認
- 個人情報の使用目的・保管方法の明記
事例02〔BtoB・代理店活用〕
差出人欄を「個人」ではなく会社名で充分な場合に有効なはがきです。 会社には社判があるため、四角枠を設けることでスタンプを活用しやすく、手間を省けます。 また、元売り側が代理店経由でお客様の声を集めたいときにも便利です。代理店ごとにスタンプ を押してもらえば、どこからの回答か把握でき、効果的な運用ができます。

機能
差出人欄を空白の四角枠でデザイン 会社印(社判)や会社スタンプが押せる仕様 本店主導の収集も、代理店ごとにスタンプを押してもらう事で識別可能 大量生産に対応でき、コスト削減につながる

事例03〔飲食・外食〕
【スタンダードタイプ】
クーポン送付を前提に設計されており、必要な個人情報を確実に取得できます。
購入や来店後に再来店を促す仕組みとして機能し、販促効果を高めます。
今後は、回答方法をQRコード経由に移行することで、コスト削減や運用効率の向上も見込めます。

機能
- 差出人欄を設け、チェックボックス式+自由回答欄のバランスを最適化。
- 店舗ロゴを配置し、ブランドの一体感を確保。
- クーポン送付を前提とした販売促進設計。
【イラストタイプ】
個人情報の取得を最小限にすることで、気軽に回答しやすい構成になっています。大量印刷して各店舗でスタンプを押す運用を想定しており、コストを抑えながら複数店舗での活用が可能です。また、イラストを加えることで、無機質になりがちなアンケートに親しみや遊び心を添え、回答意欲を高められます。チェックボックスと自由回答のバランスも良く、実用性と柔らかさを兼ね備えた設計です。

機能
- 個人情報の取得を必要最低限に絞った差出人欄。
- 複数店舗での利用を想定し、店舗識別用のスタンプ欄を配置。
- 業種に合わせたイラストで親しみや面白みを演出。
- チェックボックス式+自由回答を組み合わせ、実用性と自由度を両立。
事例04〔プレゼントの有無・フリー記載の事例〕
【プレゼントあり・フリー記載】
ウェブ掲載用のお客様の声を集めることを目的とした事例です。
プレゼントを前面に打ち出すことで「良い声」を集めやすい仕様となっています。プレゼント提供を前提とするため、個人情報の取得とウェブ掲載許可を同時に行う設計です。

機能
- プレゼントを強調したデザイン
- 個人情報の取得
- フリー記載形式
- ウェブ掲載許可(匿名のみ)
【プレゼントあり(粗品)・フリー記載・スタンダード】
抽選で粗品を提供し、自由記載で幅広い意見を集める事例です。
ウェブ掲載許可を3択で確認でき、さらに個人情報の取扱いを明記することで、安心感を高めています。
粗品の内容を具体的に明記して目立たせれば、回答率向上に直結するでしょう。

機能
- 粗品プレゼント
- 個人情報の取得
- フリー記載
- ウェブ掲載許可(3択:実名/匿名/不可)
- 個人情報の取扱い明記
【プレゼントなし・フリー記載(店主を前面に)】
店主の存在感を前面に出すことで、小規模事業者ならではの親近感を伝えられる仕様です。
プレゼントがなくても、フリー記載・掲載許可・個人情報の取扱いといった基本要素を備えており、等身大の声を集めることができます。罫線入りの自由記載欄を設けることで、手書き文字が書きやすく、利用者の“生の声”を引き出しやすい点も特徴です。

機能
- 店主のイラスト・コメントを添付
- プレゼントなし
- 個人情報の取得
- フリー記載形式(罫線あり)
- ウェブ掲載許可(3択:実名/イニシャル/不可)
- 個人情報の取扱いの明記
【プレゼントなし・フリー記載・3面はがき・記入例あり】
フリー回答欄のすぐ近くに「回答サンプル」を掲載することで、利用者が答えやすくなり、自然に望ましい方向の声を集めやすくなります。紙面が大きいため自由度が高く、利用者の率直な意見から、掲載に適した声まで幅広く収集できる点が特徴です。


機能
- 3面はがき
- プレゼントなし
- 回答例あり
- ウェブ掲載許可(3択:実名/イニシャル/不可)
- 個人情報保護シール用の点線(利用促進)
- 個人情報の取扱いの明記
事例05〔従業員の意識向上〕
【手渡しタイプ】
接客の場では率直な意見を書きにくいため、アンケートはお客様に手渡しし、後日投函いただく仕組みにしています。
支店名や担当者名をあらかじめ記入して渡すことで、回答を担当者単位でフィードバックでき、現場でのサービス改善に直結します。
さらに、情報保護シールや5段階評価を設けることで、安心して記入できる環境を整え、従業員の意識向上とサービス品質の向上につながる事例です。

機能
- 接客時に手渡し配布を想定
- 支店名・担当者名は配布時に企業側で記入してお渡し
- 情報保護シールと点線を付与
- 5段階評価を設置
- 従業員の意識向上とサービス品質の向上を目的
【後日郵送タイプ】
サービス終了後に会社から往復はがきを郵送し、返信を受け取る方式です。
全面の情報保護シールを貼って投函できるため、お客様は安心して率直な意見を返送できます。確実に回収できる仕組みのため、本音に近い回答を得やすく、従業員の意識向上やアフターサービスの品質改善に活用できる事例です。


機能
- 往復はがき形式
- 全面サイズの情報保護シールと点線を付与
- チェックボックス型の評価欄
- 回収後の利用目的を限定(サービス改善に特化)
- 従業員の意識向上とアフターサービス改善を目的
業種別の設問の傾向と設計例
業種によって、アンケートで重視すべき項目や設問の方向性は少しずつ異なります。ここでは代表的な業種を例に、設問の傾向と設計ポイントを紹介します。
アパレル・小売業
傾向
購入体験の満足度や再注文意向、購入チャネルの把握を重視します。
主な設問項目
- 納期や仕上がり品質
- 商品デザインやサイズ感
- スタッフ対応
- 再注文意向・知人への推薦意向
- 購入経路(店舗/ECサイトなど)
- 掲載許諾(実名・匿名・不可)
設計のポイント
来店・購入後に配布し、再注文や紹介につながる情報を得る構成が有効です。
選択式と自由記述を組み合わせることで、「評価」と「本音」を両立できます。
清掃・メンテナンス業
傾向
サービス品質や料金の納得感を中心に、信頼感と比較意識を測る設計が有効です。
主な設問項目
- 挨拶・説明のわかりやすさ
- 清掃や修理の仕上がり
- 他社との比較(価格・信用・対応など)
- 依頼のきっかけ(紹介・広告・テレビなど)
- 料金の印象(適正・やや高い・安い)
- 明細や領収書の受け渡し
- 総合満足度
設計のポイント
現場担当者の評価や「もう一度頼みたいか」を測る設問を入れると、改善・教育の両面で活かしやすくなります。
飲食・外食業
傾向
来店体験の満足度やリピート意向、販促施策への反応を重視します。
主な設問項目
- 味・ボリューム・清潔感
- 提供スピード
- 接客・雰囲気
- 価格の印象
- 来店のきっかけ(SNS・紹介・チラシなど)
- 来店頻度(初めて・月1回・週1回など)
- クーポン希望有無
設計のポイント
店舗での体験直後に配布する「即時アンケート」が効果的。
再来店促進や口コミ投稿への連動など、販促施策と組み合わせて活用できます。
食品メーカー・製造業
傾向
商品に対する感想や応募情報を通じて、商品改良やプロモーションに活かす構成です。
主な設問項目
- 商品の感想(味・効果・好みなど)
- プレゼント応募(希望商品を選択)
- 掲載許可(匿名・実名・不可)
- 個人情報(住所・年齢・性別など最低限)
- 自由記入欄(意見・要望など)
設計のポイント
応募をきっかけに声を集める「キャンペーン型アンケート」が適しています。
記入欄のスペースを広く取り、親しみやすいトーンにするのが効果的です。
まとめ
お客様の声は、設問の内容や紙面の設計によって、こちらが得たい情報を自然に引き出すことができます。重要なのは、「どのように配布し、どのように伝え、どのように回収するか」という流れ全体を設計することです。どんな回答を得たいのかを明確にしたうえで、設問・デザイン・回収方法を一体で考えることで、アンケートは単なる意見収集から「信頼を育てる仕組み」へと変わります。また、紙面の見やすさや配色など、デザイン面での工夫も回答率に影響します。
設問だけでなく、レイアウト・フォント・カラーなども含めて、全体を通して“伝わる設計”を意識することが大切です。
運用に関するご相談について
アナログ(ハガキ)とデジタル(QRコードからのフォームメール)などの設置・運用方法や、 配布方法の工夫などについて、当社にて簡易的なコンサルティングも承っています。 アナログとデジタルの両方の側面から、実務的な課題に応じてアドバイスを行います。 料金は 30分 5,000円(税別・交通費別途・オンライン対応可)。 専門的なコンサルというよりも、実務経験をもとにしたアドバイスを気軽に受けられる場とお考えください。